これは何だ?
鎧の下で肌が粟立った。
この一瞬に、体内の血がすべて冷水に変わったのではないかと思うくらい初めて見る異形の者に嫌悪感と寒気を感じた。
それは死の恐怖とも違っていた。おぞましい蟲が素肌を伝ったように拭いがたい。
大きな体躯の背は前かがみ、四肢を半分ずつ手足に使い分けて二本足で立つが、人とは遠い。ボロボロの鎧の隙間から飛び出した体毛は濃く長く、汚物で薄汚れていて、元の色がどんな色なのか判じかねた。そして頭部は狗とも熊ともつかない突出した鼻筋、その下に牙を剥き出した口が大きく開いている。
辛うじて亜人種であることはわかる。だが、動物を見ているような気分だった。知性や理性を感じさせない眼が顔の両側についている。思考があるのかないのかわからない、けれど敵意を漲らせた肉食動物の目だ。
「驚いてるばあいじゃないぞ、剣を抜け!」
Key : プレイヤーの知識、キャラクターの知識 続きを読む
テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム