Lavistricaの歩き方

NetTRPG「LAVISTRICA」の世界観とその遊び方をライトノベル感覚で綴る冒険譚ワールドガイドブックです。

冒険者の二種類の治療

「・・・!」
 血の気の失った顔を一瞬痛みでゆがませたが、戦士のプライドか男としての意地故か、少年は声を漏らすことなく黙って治療を受けていた。
 薄い敷布を敷いただけの寝台に横たわった少年はぐったりとした様子で、肩から腕にかけて引き裂いたような傷が痛々しい。
 肩を覆う鎧の部分だけ破損していて使い物にならなくなっていた。今は、治療のため取り外されて傍らに置かれている。
 よくこの細い肩が脱臼しなかったものだとラーザロゼは少年の治療を手伝いながら考えた。
 彼女自身も酷い怪我を負っていたが、戦闘の途中で一度、神官の神聖魔法で治癒されていたため、今はそれほど酷い怪我ではなくなっていた。
 戦闘が終わってみると、前衛はもちろん全員が無傷ではいられなかった。
 その中でもモンスターの攻撃を痛烈な一撃を受けた少年は、深い傷を負い、多数の出血により一度は気を失って倒れたのだった。
できることならその場で魔法治癒といきたかったのだが、神官の神聖魔法の行使にも限界があった。
 ラーザロゼたちはなんとか化物との遭遇も回避し、城から這い出して冒険者の治療も行ってくれるというブルーノート寺院の治療を受けることになった。

 寺院には市民や神職にある者などが、施術師の指導の下に、怪我や病気でやってくる人たちを治療していた。
 患者は冒険者だけでなく市民もいて広く門戸を開放していた。
 治療費は請求されなかったが、思い思いの金額を寄付をした。
 治療にあたってくれた神官と見える女性が包帯を巻きながら、2週間は絶対に安静にするようにと、聖職者らしく穏やかだが厳しく告げた。
 そして、さらに1ヶ月の間は労働や訓練など体を動かすことを避けるようにと言われ、そんなに休んでたら体がなまっちゃうよ、と少年がか細い声で抗議した。
「生きているのが不思議なくらいです。冒険者は体を整えるのも資本ですから、しばらくはゆっくりお休みなさい、ね」
「・・・彼は戦士で、冒険者なんです」
 1ヶ月も休んでいては戦士としての勘を取り戻すのにしばし時間がかかるだろうし、大体、1ヶ月も寝て暮らせるほどの蓄えは少年にはなかった。
 この破損した鎧は中古ではあったが、最近購入したばかりだったし、サイズを直すのに高額の支払いを済ませたところだった。
「お気の毒ですが・・・施術の治療ではご本人の回復力に頼っての自然治癒が基本ですから・・・」
 1ヶ月というのも、日頃の鍛錬があるから1ヶ月で済むのだと彼女は言い置いて、彼女は他の傷を診始める。女神官の胸元にかかる小さなメダルのようなものが揺れるのを見て、ラーザロゼは思わず問うた。
「失礼ですが・・・あなたも神官さまですか? 治癒魔法を使うことはできませんか?」
 彼女は胸元のホーリーシンボルを手にとって頷いた。
「治癒魔法は我が主ニース神の本領とするところです・・・ただ・・」
この寺院で魔法治療を請け負う場合は、高額の寄付が必要だと言った。
 ニースの神官の告げた寄付のその金額は1ヶ月の生活費とほぼ同額だった。


 ラヴィでは怪我をした場合は、薬草を使ったり、外科的処置などを施す施術治療が主です。
 魔法による治癒ももちろんありますが、HPヒットポイント:体力値)がもともと少ないラヴィでは魔法による回復量も当然少なく、高位の神官でもないかぎりは、一日にそう何回も回復魔法を使うことはできません。
 少し軽めの傷であれば全快することも可能ですが、瀕死の怪我人(HPがマイナス)の人を全快させるのはまず無理です。
 何度かかけてなんとか軽い怪我(HPが0以上)にすることができれば、しめたものです。
 ですから、パーティーの中に治癒をメインにする神官がいたりすれば別ですが、普通は施術治療による回復となります。

 ただ、戦闘中は瀕死の怪我(HPがマイナス)では何時攻撃が入ってとどめをさされてしまうかわかりませんから、軽度の怪我(HPが0以上)にすることはとても意味のあることです。
 魔法による治癒が無理でも、出血を止めたり、わずかでも休息をとって回復させるように努めましょう。

テーマ:TRPG - ジャンル:ゲーム

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Finnian

Author:Finnian
LAVISTRICAのGM見習い。
TRPG歴:なし

ここに書かれている世界観等は、ラヴィストリカの布教活動(笑)の一環として、少しでもファンタジー世界を感じてもらえたらと思って紹介させていただいています。

TRPG経験者からしたら、常識的なこともあるかもしれませんが、厳しいツッコミ等はご遠慮くださいませ。
泣きます(><

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